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インタビュー

自分たちらしく、続けていきたい

2018.05.30

釜あげうどんくろ/鳥原真悟さん、鳥原明美さん

自分たちらしく、続けていきたい

 宮崎市街地から少し歩いた橘通東5丁目にある、入り口の梁と暖簾が印象的な小さな店。ここは、雑誌『DiscoverJapan』などで取り上げられるなど、県内外から多くのファンが足を運ぶ人気店、釜あげうどんくろ。メインメニューは釡揚げうどん。柔らかい手打ちの麺を日南産の醤油を使ったつゆでいただくシンプルなもの。他にも季節ごとに変わる限定メニューも人気だそうです。今回は、店主の鳥原真悟さんと奥さんの明美さんにお話を伺いました。

自分たちらしく、続けていきたい

自分で仕事をつくる決意

 店主の真悟さんが27歳の時に、釜揚げうどんくろを開店。サラリーマン時代におきたリーマンショックの経験をきっかけに、自分で仕事をつくることを決意しました。それから独立することを目標に宮崎市内のうどん屋で働き始めます。「成功したり、失敗するのが自分で始めたことなら納得がいく働き方だと、サラリーマン時代の経験から考えるようになりました。そこで料理なら勉強すれば覚えられるし、宮崎は釜揚げうどんが有名なのでいつかは自分でお店ができるかもしれないと思い、4年ほど昼はうどん屋で働き、夜は飲食店で働くようになりました」

自分たちらしく、続けていきたい

夫婦だからこそ思うこと

 下積み時代を経て、念願のお店を始めて、今年で5年目。もう5年、まだ5年。周りの風景が変わったり、近所の子どもたちが成長する姿を見て、月日が流れてるのを実感。今では、気持ちの余裕が出てきましたが、開店当初は夫婦間でも意思疎通がうまくいかず、喧嘩をしてしまうこともありました。それは信頼し合っているからこその思いのぶつかり合い。自分たちらしくお店を続けることは、簡単ではありませんでした。「お店を始める前の自分とは、変わったなぁと思うことが多々あります。夫婦でお店をしているので、生活のリズムの中にお店がある感じなんです。例えば仕事として、他人なら許せることも家族だからこそ気になる時もあります」と明美さん。その話を聞いて真悟さんは「一緒にいる時間が長い分、他の夫婦と比べて信頼関係があるのかなと思います。お店を始めるのが、現実的になったのは彼女がいてくれたおかげですね」

自分たちらしく、続けていきたい

自分たちのうどんを作り続けるために

 『真面目につくったうどんを食べてもらいたい』。特別なことをするのではなく、ほそくながく自分たちらしく、お店を続けていきたいと考えている鳥原さんご夫婦。真悟さんは「店をスタートさせるのは簡単で、誰でも挑戦できるのですが、続けることがとても大変なんです。例えば、本当は釜揚げうどん1本で勝負していきたいという思いがあっても、お店を続けていくために季節ごとのメニューをつくってお客さんが飽きないようにしたり。真面目につくり続けていくことで、評価してもらうしかないのかなと思っています」お店に繰り返し足を運んでくれる人たちが増え、自分たちがしていることは、間違いではないと少しづつ自信がもてるようになっていきました。

自分たちらしく、続けていきたい

次の世代につなぐ大切さ

 鳥原さんご夫婦がお店を始めた頃と比べて、今では同世代でお店を始める人たちが少しずつ増えているそうです。そんな中、同じように夫婦でお店をしている人と話す機会もあり、真悟さんの中で気持ちの変化がありました。「お店を始めて5年目になり、自分が教えられることは、下の世代の人にも伝えたいという気持ちになりました。誰でもお店を始めるには準備期間が必要です。自分の場合は、4年程うどん屋で働いてお店を始めることができました。その時から早いうちに自分のお店をつくり、密度の濃い経験をするのが自分には合っていると感じていました。だからこそ、下の世代にも早いうちからいろんな経験ができる機会があるといいのかなと、思うようになりました。今すぐには無理でも今後、同じようにお店をしたいと思っている人を育てる機会を作れたらいいなと思います」

 『飲んだシメには釡あげうどん』と宮崎ではいわれるほど、夜の繁華街では釡あげうどんは人気です。しかし鳥原さんご夫婦は『気軽に昼間にも釡揚げうどんを』と、今日もうどんを茹でる熱気溢れる厨房の中で、汗を流していました。

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