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しごと

宮崎県農協果汁株式会社のイメージ画像

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2020.10.26

製造業

宮崎県農協果汁株式会社

安心安全で高品質な
商品を提供

 宮崎県農協果汁(株)は、宮崎産の野菜や果物を使った、飲料の製造・販売を行っています。徹底した品質管理のもと果汁100パーセントの商品を多く取り揃え、健康を意識する人からの注文も多いそう。なかでも今注目を集めているのが、2年前に販売を始めた「毎日おいしく日向夏」です。日向夏の持つ力に着目した商品で、同社では機能性表示食品の取得を目指しています。「以前から栄養機能を表示できる商品開発に関心があったのですが、平成20年に参加した『日向夏と健康に関する研究会』を契機に、開発に力を入れ始めました」(研究開発部部長・坂谷洋一郎さん)

日向夏を配合する様子(本社工場)

宮崎大学とタッグを組んで
開発をスタート

 平成23年、宮崎大学の「日向夏みかんを利用した骨代謝改善剤」が特許取得。宮崎県農協果汁(株)は、同大学と特許実施許諾契約を結びました。共同研究を開始するタイミングで、県の環境リサイクル補助金事業の認可が下りたことも、開発に拍車を掛けました。骨の形成に役立つといわれる成分は日向夏の皮に多く含まれます。「工場から出る日向夏のしぼりかすが使えると考えたのです。しぼりかすから成分が取れると、環境に良いだけでなくコストを抑えられますから」と坂谷さん。成分の抽出はスムーズにいきましたが、皮の苦みをどう克服するか、エキスをどう濃くするかなど、課題は山積みでした。

日向夏の皮に含まれる多糖類アラビノガラクタンが、破骨細胞の形成を抑制し、骨芽細胞を刺激するのだそう

関連商品を増やして
幅広い展開をしたい

 日向夏の酸味を和らげ飲みやすくするなど改良を重ね、平成28年3月、ついに「毎日おいしく日向夏」の販売がスタート。発売後、機能性を表示できるようにしたいと、ヒト臨床試験を経て申請を行いましたが、残念ながら受理に至らず。臨床試験のやり方を見直して、今年再申請の準備をしています。「機能性表示食品となれば、日向夏にはそんな効果があるんだと知ってもらえる。相乗効果で青果の売り上げアップにも期待しています」。今後は、骨量が低下しがちな女性アスリートへのアプローチや、粉末を使った商品の開発など、幅広い展開も視野に入れています。

「機能性表示できるようになれば、パッケージを一新し、中高年の女性にもダイレクトにアピールしたい」と坂谷さん

 

宮崎県農協果汁株式会社
業種:食品加工業
設立年月:昭和48年12月
所在地:宮崎市恒久字春日田1215-1(地域営業部)、
児湯郡川南町川南20016-3(本社工場)
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