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白玄堂 ディレクター白尾尚美さんのイメージ画像

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2021.06.21

インタビュー

白玄堂 ディレクター白尾尚美さん

人前でお茶を淹れて
飲んでもらうことを大切に

 父親が立ち上げた茶販売店・白玄堂に29歳で入った白尾尚美さん。店頭での試飲販売を重視し、お客さまの要望を聞きながら、自分が納得できるお茶をプロデュースしてきました。

-お茶のワークショップなど、さまざまなアプローチで日本茶を販売されていますね。
現在は関東などの都市部や海外にも販売に出掛けていますが、白玄堂に入ってすぐの頃は、平日の夕方や週末に地元スーパーの店頭に立って、試飲してもらうことで販売につなげていました。その経験が原点にあるため、今でも人前でお茶を淹れる対面販売を大事にしています。言葉だけじゃなく動きがあることで、若い人から年配の人、時には外国人の関心まで引くことができます。また、お客さんから、好みや要望を直接聞けるため、新商品をつくるきっかけになることも。試飲して、うちのお茶に興味を持ち、その後日本茶にはまって関東から宮崎に移住した30代の男性もいるんですよ。

日本茶カフェ「HAKUGENDO CYAYA」。フラワーショップ・花villaの一角にあり、煎茶など自社商品を販売している

お茶の資格や知識を生かして
宮崎に貢献したい

-どうして家業を継ごうと思ったのですか?
白玄堂は、24年前に父が立ち上げた店です。また、母の実家は100年続く茶農家ということもあって、日本茶は幼い頃から身近な存在でした。私は、もともと教師を目指していたんですが、卒業する際に仕事を継ぐこととは関係なく静岡の茶業研究センターで勉強してみないかと勧められました。その後静岡で製茶の機械メーカーに就職。業界の人と関わる内に、お茶の資格や知識を故郷で生かしたいと考えるようになったんです。帰郷後、白玄堂の経営が厳しいことを知り、入社して営業を始めたんです。

「今は白玄堂のディレクターとして、母の実家のお茶を自分でプロダクトして販売までできるのはうれしいです」と白尾さん

プレゼン相手は世界の70億人
個性があれば武器になる

-白尾さんが考えるお茶の魅力とは?
日本茶は年によって味が違いますし、温度や時間など淹れ方でも変化する。また、一回の茶葉で3煎楽しめるのでエコな商品と言える。伝統的でありながら新しくもあると思います。
-これからの展望は?
最近、土のことを学び、叔父の茶園のオーガニック認定を進めました。いい意味での田舎臭さを生かしたお茶づくりにこだわったら、有機栽培にたどり着きました。そんな話をブログで発信していたら、海外でビジネスするチャンスにつながったんです。今は国内だけじゃなく海外も見据えて、個性の強い商品づくりをしています。また、日本茶の良さを伝える人を育てることが急務と考えています。人を育てながら、もっと気軽に日本茶が飲める文化や環境づくりをしたいです。

気軽なグループでの日本茶教室をはじめ、煎茶の焙煎を教える教室や、茶畑研修など教えることにも力を入れている

 

HAKUGENDO CHAYA
宮崎市大島町原ノ前1445-202
☎0985-28-3532
営 13:00~18:30
休 日・月・火曜日