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情熱が原動力。バングラデシュICT人材と宮崎をつなぐ架け橋へ

WORK

株式会社 B&M 荻野 紗由理さん

若年層の県外流出やICT人材の不足が課題となっている、宮崎市。それらの課題を解決しようと、2017年より産学官連携高度ICT人材地域導入事業「宮崎 - バングラデシュ・モデル」が実施されています。バングラデシュの高度ICT人材を宮崎市のIT企業に雇用するこのプロジェクト。オーガナイザーとして活躍するのが、株式会社 B&Mの荻野 紗由理さんです。これまでの経緯や、仕事の魅力を伺いました。

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偶発的な出来事がつながり形成された、現在のキャリア

 

自己紹介をお願いいたします!
株式会社B&M(ビーアンドエム)の代表取締役 荻野 紗由理(おぎの さゆり)です。宮崎市出身、1983年生まれの40歳です。 バングラデシュのITエンジニアと、宮崎のIT企業をマッチングさせる人材紹介の仕事をしています。
どのような学生時代を過ごされましたか?
宮崎市立加納小学校、宮崎市立清武中学校に在籍していました。 中学卒業後は、大学進学を見据えて宮崎県立宮崎南高等学校に進学。 「フルハウス」や「ビバリーヒルズ青春白書」などの海外ドラマやカルチャーが好きで、将来は海外と関わるような仕事ができたら、と思っていました。 でも「この大学に行きたい」みたいな明確な目標はなくて。東京であれば、海外に関係がある仕事に就くチャンスが多いのではないかと考え、東京の私立大学に進学を決めました。
大学ではどのようなことを学ばれたのですか?
経営学部でマーケティングを勉強していました。横文字がかっこいいなって(笑)。 加えて、サークルでの活動に打ち込みました。「Save Children Network」という、ストリートチルドレン、児童労働、教育問題など、発展途上国の子どもたちが抱える社会問題を研究し、サポートすることを目的としたサークルです。 研究課題はどれも深刻なものばかりでしたが、サークル仲間たちと社会問題について真剣にディスカッションすることが楽しかったですね。 サークルの先輩のお父様がアフリカのJICAに勤務されていたのがきっかけで、アフリカのマラウイ共和国にも行きました。マラウイは遠い世界のように感じていましたが、実際行ってみると人の雰囲気や文化がどこか宮崎に似ていて。地理的には日本から離れているとはいえ、実はそんなに変わらないんだと体感できたし、マラウイに行った経験が今につながっていると思います。
大学卒業後は海外に関係する企業に就職されたのですか?
最初に就職した企業は、海外とは全く関係ありませんでした。 というのも、海外に関係する仕事をしたいという気持ちがある一方で「これがしたい!」という明確なものが見つからなくて。 大学4年生になっても、卒業後の進路を決めかねていました。それなら「面白く働ける環境に行こう!」と、当時伸びしろが大きくスピード感があり、社風にも共感した東京のIT企業 株式会社ワークスアプリケーションズに就職しました。
どのような業務を担当されていたのですか?
企業の人事・給与・会計系などの基幹業務システムを開発する会社で、企業のバックオフィスのシステム保守や顧客担当をメインとして働いていました。 クライアントに使ってもらっているシステムの改変やバグ修正、クライアント企業の制度改正や、法改正などがあった場合にシステム改修のプロジェクトを進めるお手伝いをしていました。
新卒時のIT業界での経験が、現在のビジネスの土台になっているんですね。
経営学部出身だったので、業務で扱うソフトウェアについて全く知識がなく、初めは本当に困難の連続で、周囲の色んな人に助けてもらいながら仕事をしていました。 一番大変だったのは、お客さんのサーバーが壊れてしまったとき。不眠不休で、会社に残って業務を行い、30分に1回集まって現状報告。まるで、ドラマ「24 -TWENTY FOUR」の世界でした。とてもヒリついた経験ですね。 とはいえ、当時はそれが本当に楽しかったんです。業務に追われて毎日夜遅くまで会社に残っているけど、みんなでワイワイと文化祭の前日のような雰囲気でやっていましたね。
そこからどのような経緯で、宮崎にUターンされたのですか?
右も左も分からず無我夢中で仕事をしていた時期を経て、知識も経験も増えていろんなことが分かるようになってきた入社9年目。一方で、慣れからくるモチベーションの低下も感じていました。 新しいフィールドで挑戦したい気持ちが芽生え、うずうずしていたんです。 そんなとき、父親が代表取締役を務める会社※が海外事業を展開することになり「私もやりたい!」と思ったんです。入社10年目を迎えるタイミングで退職し、宮崎に戻って父親の会社に合流しました。

※株式会社 教育情報サービス https://www.e-kjs.jp/

 

バングラデシュのICT人材と宮崎企業をつなぐ架け橋へ

お父様の会社の海外事業展開がUターンのきっかけだったんですね。
はい。Uターンのきっかけになった海外事業というのが、バングラデシュのプロジェクトでした。 バングラデシュには優秀なITエンジニアが沢山いる一方で、エンジニアが活躍できる受け皿がない。また、宮崎市には高度ICT人材が不足している。 それらの課題について、父が宮崎大学や宮崎市の関係者と意見交換する中で、宮崎のIT企業とマッチングできるんじゃないか、ということになり、バングラデシュ人の宮崎での就職をサポートするプロジェクトが立ち上がりました。これまでに数多くの雇用が決まり、「宮崎-バングラデシュ・モデル」として全国から注目されています。 そんな中で、企業マッチングや人材紹介、受け入れの支援などに特化したいと設立したのがB&Mです。
なぜバングラデシュだったのでしょうか?
バングラデシュでは大学の授業が英語で行われるため、英語に堪能な人がほとんどです。 IT業界の一次情報※は英語で記載されているものが圧倒的に多いので、英語が分かると素早く正確な情報を持って来ることができます。

製品の提供元、開発元にある、オフィシャルのドキュメントなど信頼性の高い情報のことを指します。

また日本は、国際社会が独立宣言を認めていない頃からバングラデシュを独立国家として支援し、独立後も食料やインフラ関係の援助を行ってきました。その影響でバングラデシュ人の多くが日本に良いイメージを持ってくれているんです。 だからなのか日本人が何か始めようとした時に、味方になってくれたり協力してくれるバングラデシュ人がとても多い気がします。政府機関や大学の学長にもすぐ会わせてもらえたりと、プロジェクトをスピード感を持って進めることができます。
B&Mの事業内容について、詳しく教えてください。
バングラデシュのITエンジニアと、宮崎のIT企業をマッチングする人材紹介の会社です。 優秀なエンジニアを採用したい、外国人採用をしたいと考えていても、選考方法や来日手続きなどが課題となり踏み切れていない企業が多いのが現状です。弊社がそのサポートを行い、企業が円滑に採用プロセスを進められるよう支援しています。 また並行して、バングラデシュ人のエンジニアが日本で就職するためのサポートも行っています。
株式会社B&Mのウェブサイト https://info.bandm.biz/

 

バングラデシュのICT人材を日本企業に繋げるというプロジェクトを開拓されているんですね。
(左)B&MのスタッフでキャリアインストラクターのMoushumi BISWAS(通称ピンキーさん)と
日本でのICT人材不足は切実な問題になっています。 その問題解消のため、他の自治体の方が弊社のプロジェクトを視察に来たり、宮崎で就職したバングラデシュのメンバーに会ったりするのですが、同じようなプロジェクトが立ち上がる事例はまだないんです。 プロジェクトに関わる宮崎の方々が熱量を持って関わってくれているおかげで実現できたことだと思っています。宮崎に帰ってきてよかったな、と思いますね。

宮崎は挑戦しがいのあるフィールド。ワクワクするseeds(種)を見つけて!

宮崎だからこそ実現できたプロジェクトなんですね!
海外関連の仕事をしたいけど宮崎ではそのチャンスに恵まれないだろうと、心のどこかで思っていたんです。でも実は、そのチャンスは宮崎にあって、私の場合は結果的にUターンで戻ってきました。 宮崎って、色んなチャンスが転がっていると感じます。色んな人と繋がってシナジーを生み出しやすいという魅力が宮崎にはあるんですよね。 東京とは全く違う仕事の面白さがあったり、人との繋がり方があるんです。その良さに気付くことができたのは、一度東京に出て鍛えられたからかもしれませんね。 だから、宮崎から出たいと感じている人は、一回外に出てみて戻ってくるっていうのも良いんじゃないかと思います。
今のお仕事をやっててよかったと思う瞬間を教えてください。
就職がなかなか決まらず、何度も模擬面接の練習に付き合ったバングラデシュの方がいたんです。ようやく日本での就職が決まって泣きそうになっている姿を見ていると、感動が込み上げて目頭が熱くなりました。 また、バングラデシュで面接を受けたエンジニアの就職が決まったとき。宮崎ブーゲンビリア空港で、宮崎の就職先企業のメンバーとハグをする姿を見ると、頑張ってきてよかったなと心から感じます。
バングラデシュのために頑張る。そのパワーの原動力はなんですか?
私自身、バングラデシュが大好きなんです。 バングラデシュ人はシャイな部分もありつつ、話すと宮崎人の感覚によく似ているなと感じる部分もあって。人間味溢れる雰囲気に、宮崎の人たちとの親和性を感じます。 また、バングラデシュ人はハングリー精神が旺盛で、「チャンスがあったら全部やってみよう」という意識を強く感じます。バングラデシュはいろんなことに挑戦しやすいフィールドになってきていますし、これからますます発展していくと思います。
最後に、宮崎の若者へのメッセージをお願いします!
若い時のボーナスタイムを大切にしてほしいですね。若い人が何かに挑戦しようとしているときに、反対したり協力しない大人っていないと思っています。もしそんな大人がいたら、かっこ悪いですよね(笑) 周囲の大人を頼ったりサポートしてもらいながら、自分がやりたいことを突き詰めて、ガンガン挑戦してほしいです。 また、宮崎って意外と挑戦しがいのあるフィールドなんです。 いろんなシーズ(Seeds)が面白く転がっていて、伸びしろがあると感じます。 宮崎でこれやってみたい、これワクワクするぜ!というのを、ぜひ見つけてくれるといいなと思っています。

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